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思うようにいかないときは

 お結界に来られた方が「ちっともいいことがないのです。悪いことばかり起こってくるのです。ほんとうに思うようにいかないで困ってます。で、神さまに助けてもらおうとお参りにきました」とお届けされました。私も一生懸命聞かせていただきました。
 私がその方に申したいのはこうです。「この神さまは、喜び喜んでということが一番大切です。うまくいかないことばかりだと見ればそうでしょう。しかし、なかにはよいこともあるでしょう。つまらないようなことでも、これはうまくいったなと神さまに御礼を申していけば段々良いことが増えていきます」。本当はこう説きたかった。
 ただこれは、ある程度お話を聞いていないとわかってもらえないかもしれません。心が暗く、うまくいかないぞ、どうしたらいいんだ、張り合いも保てない、というようなときには届きにくいかもしれません。
〇不安心配のなかで
 私は三代大先生がお隠れになって、ひと月目くらいでしたか、熱が出てもう動けぬようになってしまいました。三十日祭は這は って出させてもらいましたが、その後五月にまた熱を出して寝込んでしまいました。
 「こんなことで教会長として御用できるんやろうか」と、不安や心配がでてきました。
 熱がちょっと下がって少し余裕がでてきてからいろんな本をくってみました。そのなかで目に留まったのが二代大先生のお言葉でした。
 二代大先生はある時初代大先生から「私は一番好きなことをさせてもろうているがお前はどうか」と尋ねられます。初代大先生の御用の勤め方は周囲がはらはらするくらいの打ち込まれようでした。しかし初代大先生はそれが全く苦ではないのです。好きになる、ということはそれくらいのことで、二代大先生は御用を好きになる信心を、好きになるという稽古を、求めて求めていかれたのでした。
 不安のなかで私はひとつの指針を頂いた思いでした。御用を好きになろう。もちろん一足飛びに実現できたわけではありません。元気な心で御用を勤めよう、好きにならせてもらおうと念じているうちに、気づけばあまり寝込まなくなりました。
神さまと一緒に御用させていただいているんだという喜びが湧いてまいりました。
 考えてみますと「好きになる」ということに着目された二代大先生はまことに慧けいがん眼です。信心始めの人に、喜びましょう、神さまに感謝を、といってもむつかしいものです。好きになるというのはマニアとかオタクと言われる人がいるように、たとえ目先が少々不運でも揺らぐことはありません。その道に一直線に邁まいしん進することだと世の人でもその意味はよくわかります。
 そして好きになるという方法はその人その人の工夫によります。仕事を好きになる、境遇を好きになる、そんな工夫を凝らしましょう。工夫が功を奏して手ごたえを感じれば、楽しみ面白みは増していきます。
 ため息をつきながら、あえいで愚痴を言っていた人が、楽しんで張り合いのある日々を過ごすことができるようになれば「喜び喜んで」の境地まであとわずかです。
「好きになる」をもとに動揺しない信心、夢中になれる信心をめざしてまいりましょう。

(玉水教会 会誌 あゆみ 2026年8月号 に掲載)

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