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あなたの思いにあわせていく

 あけましておめでとうございます。ともどもに令和六年の新春をお迎えいたしました。
 そして二月一日、二日両日にわたる「初代大先生八十年祭」が、いよいよ間近に迫ってまいりました。
 そこで改めて考えてみました。〝初代大先生のお祭りをいただく〟とは、どういうことを言うのでしょうか。一日、二日の祭典をうるわしく滞りなくお仕えする、というのはもちろん大切なことですが、そればかりでなく、否、それ以上に、初代大先生のご信心を少しでもわからせてもらいそれを実行していくということが、〝いただく〟ということの中身であると思います。
 初代大先生七十年祭のときには、初代大先生の謦咳(けいがい)に接した方がまだ僅かでもおられました。しかしさすがにこの十年で、初代大先生を知らない方がほとんどになってしまいました。見方を変えてみますと、二代大先生、三代大先生のお取次をいただいて初代大先生の信心を進めてきた、ということになります。
 そこで私たちが初代大先生の信心をいただくときに、まず二代大先生、三代大先生はどう初代大先生の信心の道を履(ふ)んでこられたか、そこを見ていくことが大切かと考えます。特に私が身近に接した、三代大先生の行き方を申してみたいと思います。

○常に初代大先生のかげで
 金光新聞の取材を受けた際であったと記憶していますが、三代大先生が、
「お結界お取次の場で信者さんの願いを受けて、この人をどうしても助けたいと、つい自分の思いや自分の言葉で御理解してしまうと、どうもおかげにならない。
 自分は初代大先生のかげで御用しているのだという思いを放さずにお取次させていただくと、おかげになる」。言葉通りではありませんが、このような意味のことを仰っていました。とくに私の心に響いた言葉でした。
 初代大先生は「神さまはご主人 自分は奉公人」であるという、神さまと自分との本当の間柄を悟ったとき、すぐにその間柄の約束事として自分が実行すべき八つの役前を神さまと交わされました。「祈り、あなたと共に勉強する、経済に意を用いる、親先祖を大切にする、子どもの養育、家庭の円満、私のすべての思いをあなたに合わせていく、借金の断りをいう」という八つです。
 三代大先生は、「道しるべ」のなかでこの八つのうち一番大切なのは「私のすべての思いをあなたに合わせていくこと」だと仰っています。先のお取次の話のなかの、「自分を出さずに初代大先生だったら」と心がけることに通じると思います。神さまの思いと初代大先生の思いは相重なっているからです。
 
 三代大先生は平成十年に発病され除去手術で小康を得ましたが、再発後には右胸の病巣が神経にさわるため、横になっても右を下にして休むことができなくなりました。
 亡くなる前日、三代大先生は痛いはずの右側を下にしておられました。そして奉掲してある天地書附をじっと凝視されていました。
 痛みをこらえてというより物ともせずに、三代大先生は祈りを捧げておられたのでした。
 あなたの思い――神さまの思い、初代大先生の思いにどうしたら合わせていけるだろうかとの信心を進めた、三代大先生の最後の祈りでした。
 この節の年に二代大先生・三代大先生が歩まれた、初代大先生の信心をいただく道を私たちも一歩でも進んで参りたいと存じます。

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